抄録
本研究の目的は,小学校学級担任が保護者と良好な関係を構築するための具体的な関わり方を明らかにすることである。また,同僚からのソーシャルサポートが関係構築にどう関わるのかを検討し,それらが自己効力感及びワーク・エンゲ
イジメントに与える影響についても検討することである。調査対象は,2023年度の小学校学級担任203名であった。本研究の結果,保護者との良好な関係構築には,「積極的な受容・配慮」「適時的な報連相」「詳細な情報共有・記録」「尊重的双方向性」「直接的交流」の5つの観点が重要であることの示唆を得た。さらに,同僚からのソーシャルサポートを受けながら保護者と良好な関係を構築できている担任は,自己効力感が高まり,それがワーク・エンゲイジメント向上に繋がっていることが明らかになった。