抄録
学習指導要領の改訂にあたり、キャリア教育の視点から小・中・高等学校のつながりが明確になるよう整理することによって、小学校特別活動の学級活動 (3) が新たに設けられた。これまで特に特別活動において進路に関連する内容が存在しない小学校においては、キャリア教育が体系的に行われてこなかったという課題があった。福岡市立弥永小学校は、令和3 年度から小学校段階からのキャリア教育に関する実践研究を開始している。これまで小学校においてはあまり取り組まれていなかった小大連携・小高連携を試み、児童の「基礎的・汎用的能力」「自己肯定感」「学習の効力感」等に、大きな成果をあげている。本稿では、福岡市立弥永小学校が、小学校のキャリア教育を展開するにあたり、成果をあげた小大連携・小高連携の実践例を報告する。