抄録
本研究の目的は、高校統廃合対策の一環として行われている「高校魅力化」を実現するために、県立高校の設置者である県教委と高校が立地する町とが対等に協働するために必要なガバナンスのあり方明らかにすることである。加えて、県立高校に多額の財政支援をする「町財政支援型」での高校魅力化の限界とその解決策を提案する。【研究方法】Y県O高校で行われている町財政支援型の高校魅力化と、島根県の地域協働スクール型、北海道町立型の事例を比較し、高校の「管理」と「運営」の両レベルで分析した。【結果考察】安定した「高校魅力化」は、県教委と町が対等に予算を投じた上で、コンソーシアムを通じて協働ガバナンスを構築するか、町立化することが必要であることがわかった。この方法が叶わない場合においては、地教行法55条1項「事務処理特例制度」を通して、県立高校の管理を町に移管・移譲し「県立町管理運営高校」に転換することを提案する。