抄録
本研究の目的は,先行的に実践例のある「地域連携教育推進主任」を校務分掌として設置し,総合的な学習の時間を核としたカリキュラム・マネジメントの実践を通して,地域連携教育を推進し,児童のウェルビーイング向上への効果と地域連携教育推進主任の設置の意義を明らかにするものである。教員の地域連携教育への意識調査や地域コーディネーターのインタビュー調査から見えてきた課題点を基に,総合的にマネジメントを行うための地域連携教育推進主任の役割を設定し実践を行った。その成果を検証するために,勤務校の児童・教員に対し,6 ・11月の2 回,地域連携教育への意識調査及びウェルビーイング調査を行った。その結果,教員の地域連携教育への負担感・不安感が軽減されるとともに意欲が向上し,児童のウェルビーイングにも高まりが見られた。地域連携教育の推進による児童のコミュニティ・ウェルビーイング向上への効果と地域連携教育推進主任の設置の効果が明らかとなった。