抄録
本研究では,校内研修において,「研修転移理論」を導入した研修計画(以下,やりきるシステム)を構築し,二つの下位目的を設定する。一つは,やりきるシステムが教員個人と組織全体にどのような影響を与えることができるのかを検討する。二つは,研究指定校の知的財産をどの程度継承していくことができるのかを分析・検証する。研修の構造設計は,研修の「前」から「後」を一体として捉え,七つのサイクルを意識した研修計画を作成・実施した。本研究では,やりきるシステム(研究指定校の知的財産を継承するための方法)を構築・実施・評価したことで得られた成果は,以下の2 点に整理される。 今回抽出した対象者に共通していた点は,やりきるシステムが,各対象者の自己調整力の向上を示唆する効果を有していたこと。 やりきるシステムは,人事異動を要因とし,知的財産の継承が困難だったことへの課題を脱却すると共に,研究指定校の知的財産を他校に拡散できる可能性を示唆する結果が得られたこと。