抄録
本研究は、知識伝達型から探究型の研修形態への移行に伴い、研修担当者が抱く葛藤と成長認識を明らかにすることを目的とした。独立行政法人教職員支援機構(NITS)に所属する研修担当者5 名を対象に、葛藤の経緯や自身の変容を問う質問紙調査を実施し、自由記述回答をSCAT 分析により質的に検討した。分析の結果、「アイデンティティ形成」「参加者の主体性尊重と介入」「成果の不確実性」「従来アプローチとのギャップ」という四つの葛藤が抽出された。担当者は、これらの葛藤への対処を通じ、「自己の研修観の再構築」「対話と協働の価値理解」「研修デザインの変革」「葛藤の受容」「省察力の向上」という五つの成長を認識していた。結論として、葛藤を解消すべき課題としてではなく専門性深化の契機として受容する姿勢の重要性を示唆し、不確実な学びを伴走する教師教育者の新たな専門性開発の在り方を提示した。