2018 年 33 巻 p. 26-34
マクロファージ(Macrophage; MΦ)は、卵巣、子宮内でサイトカイン、脈管新生因子、増殖因子等を産生し、卵胞発育、排卵、黄体形成、着床というダイナミックな周期的変化に関与することが知られている。一方で、MΦは炎症を促進するM1型:M1 Mφ(炎症促進性)とM2型:M2 Mφ(抗炎症性、免疫抑制性)の2つのサブタイプに分類されるが、生殖生理におけるMΦのサブタイプごとの働きについては十分な検討がなされていない。本稿では現在までに報告されているマウスモデルの研究結果と我々が遺伝子改変マウスを用いて行った研究結果と合わせることで、卵胞発育におけるM1MΦ、M2MΦの役割についての検討結果を紹介する。