抄録
韓国における保険消費者に対する情報公開は,監督のための情報と消費者のための情報を区分して行われている。この中で,損害保険協会と生命保険協会による保険商品の比較公示によって,各社が部分的な比較を行うときの問題点を解決している。また,銀行の過当な募集手数料の引き上げを抑制するため,銀行の募集手数料率が比較公示されている。さらに,韓国の保険業界を含む金融業界は,「休眠口座統合照会」と「金融取引照会サービス」によって,保険金を含む金融商品全般の請求漏れの一括的な防止に努めている。この韓国における情報公開と格付けをめぐる動きは,ソールベンシーマージン比率を中心にして保険会社の情報公開が行われている日本に示唆するところが大きい。