日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
豆腐粕サイレージを用いた雄子ヤギの育成
長嶺 樹 松村 柚香砂川 勝徳
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2015 年 58 巻 1 号 p. 61-73

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抄録

本研究の目的は、長期間保存できる豆腐粕サイレージを調製し、豆腐粕サイレージの給与が雄子ヤギの成長及び肉生産に及ぼす影響を明らかにすることであった。本研究で調製した豆腐粕サイレージは長期間保存することが可能であり( 乳酸含量が高く、酪酸は含まず)、嗜好性が良好であった。12 頭のヤギ( 日本ザーネン種×ヌビアン種、3 カ月齢、平均体重22.3 kg) が、2 つのグループ(control feed group: CFG、tofu lees silage group: TSG) に配置された。CFG の動物には粕を配合しない対照飼料を、TSG の動物には豆腐粕を20%含む豆腐粕サイレージを、それぞれ1 日増体量100 g が達成できる量を給与した、アルファルファヘイキューブは、各グループに1 日1-2 kg を2 回に分けて給与した。クレイングラス乾草と飲水は自由に摂取させた。3 〜12 カ月齢まで、体重及び体各部位のサイズを月1 回測定した。12 カ月齢時に動物を屠畜し、枝肉とロース肉の性状を分析した。TSG 及びCFG におけるTDN 及びDCP 摂取量は、成長に必要なTDN 及びDCP 要求量を充足していた。ところが、TSG における成長速度及び肉生産量は、CFG におけるそれらより有意(p < 0.05)に大きな値を示した。本研究の結果は、豆腐粕サイレージを用いて子ヤギを育成すると、成長が促進され、肉生産量が増大することを示している。

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© 2014年 日本暖地畜産学会
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