抄録
協同組合共済としての目的は,震災に遭われた組合員への補償提供はもとより組合員の生活再興でもあり,共済金支払いのみがその役割でないことが明らかになった。
このことは,組合員の「助け合い」運動を根底に,全国一律料率・長期共済契約等の特徴を活かしつつ地震災害を主契約に盛り込み,さらにリスク分散・内部留保造成を重ねながら保障内容も高めていくことができた建物更生共済によるところが大きいが,ハードの制度面とソフトの協同組合活動が相まっての結果でもある。
被災者・被災地域支援は「公」の役割が重要であるが,地域に暮らす組合員や地域住民相互の「助け合い」による『共助』の復興も大切であり,今回の震災は,協同組合が『共助』の役割を果たすことでその存在価値を高めることとなった。
今後も協同組合・共済事業の役割を発揮していくところである。