抄録
本稿では,経済学部所属の大学生を対象にしたアンケート調査を実施し,そこから得られた調査結果をヒントにしながら,大学生と保険との係わりについて,多方面から接近することを試みた。興味深い結果としては,現代の大学生は日常生活の中で保険の必要性を認識しているが,保険論の授業や就職先としての保険会社には関心がないようである。
また,保険本質論に関連して尋ねた質問では,保険学会では多くの支持が得られない「保険金は自らのお金が戻ってきただけに過ぎない」との回答が45%を占め,保険学会では定説となっている「保険金は保険会社のお金である」との回答の40%を超えている。経済学を学ぶ大学生にとっては,前者の考え方にそれほど違和感を持っていないように思われる。