2022 年 2022 巻 659 号 p. 659_285-659_303
先進医療特約への重複加入の問題は,従来型のモラルリスク事案とは性質を異にする面もあるが,広義の利得禁止原則等との関係からも,先進医療特約が著しい不労利得を得るために利用されることを防止するために重大事由解除が用いられことは,肯定されるべきである。また,当該の問題については,理論上は,先進医療特約の法的性質を損害保険契約と理解することによっても対応が可能であり,さらに,より簡便で現実的な対応としては,給付の内容ないし範囲についての約款規定の改定も考えられるものである。