インターンシップ研究年報
Online ISSN : 2433-1996
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東京大学化学システム工学専攻のインターンシップの概要と課題(I 論文・研究の部)
岡田 文雄山口 由岐夫
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2009 年 12 巻 p. 9-16

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抄録
東京大学大学院化学システム工学専攻では、社会の要請に合わせて大学院教育カリキュラムを抜本的に見直し、その中でインターンシップを産学連携の重要な科目として位置付けている。2007年度から専任教員を置いてインターンシップの充実を図り、国内インターンシップ、海外インターンシップ並びにプラクティススクールという3種類のプログラムを運営している。特に、プラクティススクールは事前教育を含めて6ヶ月間にわたる長期のプログラムであり、学生と共に大学院の教員が企業の最先端の研究開発課題にチャレンジするユニークな教育である。その実習期間中(6週間)に学生一人が達成する成果は、平均して30歳前後の企業研究者の1か月分に相当する研究成果であり、学生がその分野の専門家とほぼ同等の働きをすると評価されている。また、スクールで取り組んだテーマの中で顕著な成果が上がり、その後、企業と専攻内の研究室との共同研究に発展するケースが2年間続いている。一方、国内及び海外インターンシップを履修した学生の9割が、貴重な経験や体験ができて自分のためになったと答えている。これらの成功例は、全学あるいは部局の支援を受けなくても、専攻単独で自らが目標とする人材育成システムを整えられることを示している。
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© 2009 日本インターンシップ学会
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