インターンシップ研究年報
Online ISSN : 2433-1996
Print ISSN : 1881-1663
学外農業インターンシップが農業高校出身学生の農業キャリアに果たす役割と可能性
―非農家出身農学系大学生の農村滞在職住一体の農業就業体験を通して―
田崎 悦子
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2015 年 18 巻 p. 13-23

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抄録

 本研究の目的は、農業高校出身学生の農業キャリアに、授業である学外農業インターンシップ(大学外での農業就業体験)の体験が与える影響を、アンケート調査とインタビュー調査により実証的に検証することである。具体的には、農業全般の理解、仕事で必要な能力・スキルの習得、進路選択の変化などを学外農業インターンシップの実習前と実習後の評価によって検証する。分析にあたり、非農家出身の農学系大学の学生を、農業高校出身と農業高校以外の出身に分けて比較した。その結果、学外農業インターンシップは、農業という仕事と職業、働く環境を理解し、仕事で必要な能力・スキルを向上させ、農業のどの分野とかかわるのかを検討し選択する機会としての役割を果たしていた。農業高校での経験が学外農業インターンシップの実践で活かされることで、就農を進路選択する事例も確認できた。学外農業インターンシップが、農業高校出身学生の農業キャリアの選択で重要な役割を果たし、農業の担い手人材となる就農へのキャリアプロセスとして期待できることが明らかになった。

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© 2015 日本インターンシップ学会
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