2019 年 21 巻 p. 11-19
本研究では、近畿大学におけるインターンシップに参加した大学生低学年を対象に、インタビューならびにアンケート調査を行い、インターンシップにおける職場の他者からの支援と自ら学ぶ意欲の関連性を検討した。予備調査として、近畿大学で「ビジネスインターンシップ」を受講しており、インターンシップを修了した16名にインタビュー調査を行った。さらに、本調査として同じく「ビジネスインターンシップ」の受講生168名にアンケート調査を行った。データ分析の結果、インターンシップにおける職場の他者(研修担当者、従業員など)からの「仕事支援」や「精神的支援」が強いほど、大学生の自ら学ぶ意欲に正の相関が示された。さらに、職場の他者(研修担当者、従業員など)からの「仕事支援」や「精神的支援」が強いほど、大学生活を見直そうとする意識は正の相関を示すことが分かった。本研究の成果は、低学年にみられる大学生の意欲低下状態、学業離れの問題などへの支援として、さらに低学年におけるインターンシップの必要性を考えている大学が徐々に増えている中、インターンシップの有効性について示唆を与えるものである。