抄録
本研究の目的は、インターンシップ体験の意味深さをコーリングの指標を参考に測定し、インターンシップの期間、地域(国内/海外)、内容(業務経験/集合研修/プロジェクト学習)、および学生生活(勉強/サークル/アルバイト)の意味深さとの関連を明らかにすることである。地方の文系私立大学(A大学)で実施した2017年度夏季インターンシップの事前・事後アンケート調査の結果を用いて、縦断的な定量分析をおこなった。A大学における2017年度夏季インターンシップの派遣先企業数は186社で、参加者数は456名である。回収されたアンケートのうち、記入の不備等のあったデータを除く、224名のデータを分析対象とした。分散分析および重回帰分析をおこなったところ、次の4点の結果が得られた。すなわち、1)インターンシップの期間が10日以上よりも9日以下の場合にインターンシップ体験の意味深さが高く、2)国内よりも海外インターンシップを経験した方が、インターンシップ体験の意味深さが高かった。また、3)インターンシップの内容に着目すると、業務経験や集合研修はインターンシップ体験の意味深さを高めるが、プロジェクト学習ではその効果がなかった。さらに、4)勉強の意味深さが高いほど、インターンシップ体験の意味深さが高かった。