インターンシップ研究年報
Online ISSN : 2433-1996
Print ISSN : 1881-1663
職業統合的学習の視点による教員養成の再検討
―大学における教員養成の職業的な経験の機会に着目して―
山口 圭介
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2021 年 24 巻 p. 51-60

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抄録

本稿の目的は、職業統合的学習の視点に基づき、現在の大学における教員養成の在り方を再検討することである。そのため、本稿では、まず、我が国の教員養成の基本的性格と直面する課題、大学における教員養成への期待と改善の方向性を改めて確認し、「養成・採用・研修の一体的改革」による充実・改善の趣旨と方向性を踏まえた大学における教員養成の構造と枠組みを導出すると共に、職業統合的学習の視点に基づく再考の必要性を明らかにした。これを踏まえ、次に、職業統合的学習の視点から、大学における教員養成の職業的な経験の機会を“国の定める教職課程”“各大学・学部の定める教育課程”“自治体等の定める各種プログラム”の3つの枠組みのもとで検討すると共に、実践的指導力の基礎の育成を目指す教員養成の充実・改善を図るために大学が取組むべき課題を解明した。

これらの考察に加え、本稿では、大学における教員養成への着目が企業等におけるインターンシップを考える上で多くの示唆を与えるものであること、職業統合的学習の視点が企業等におけるインターンシップと教員養成における職業的な経験の機会の架橋を可能にするものであることにも論及した。

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© 2021 日本インターンシップ学会
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