インターンシップ研究年報
Online ISSN : 2433-1996
Print ISSN : 1881-1663
24 巻
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 2021 年24 巻 p. Cover1-
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー
  • 2021 年24 巻 p. i-ii
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー
  • ―研究視座の総合と体系化に向けて―
    吉本 圭一
    2021 年24 巻 p. 1-19
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー

    本稿の第一の目的は、『インターンシップ研究年報』第24号における特集企画の枠組みを提示することである。インターンシップの制度的導入から20年あまりのインターンシップにかかる多様な「共通感覚」の形成・ゆらぎの過程を辿り、より包括的な「職業統合的学習(WIL)」概念のもとで研究を進めていくことの可能性を検討する。次に、そうした外延的に拡がる研究範囲に対してどのように内包的定義を注視し、社会科学としての研究を行うのか。研究の目的性、対象範囲の内包と外延、研究の当事者的視座について検討を行う。インターンシップとWIL の当事者的視座として、日本インターンシップ学会会則等からも、「学習者の学びと成長」「教育のプログラムと制度」「企業等の採用・人材育成」の三者にかかる研究領域設定を行うことができる。また、インターンシップにかかる統計的把握の混乱についても、こうした当事者的視座を踏まえることで総合的に理解していくことができる。第三に、これまでインターンシップ・WIL をめぐって、どのような「問い」と「方法」が組み合わされて研究活動が展開されてきたのか、科研費データベースを用いてその傾向のテキスト分析を行う。研究として確立された領域、今後に期待される領域などが明らかになり、特にインターンシップ・WIL に関わる当事者の経験と能力に関する自己省察や能力開発を扱う研究が大きな未開拓領域として残されていることも明らかになった。

  • ―研究誌からみた学会の研究動向に着目して―
    江藤 智佐子, 手嶋 慎介, 椿 明美
    2021 年24 巻 p. 21-39
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー

    日本インターンシップ学会は研究領域の拡充を目指し、2013年に職業統合的学習への英語名称The Japan Society of Internship and Work Integrated Learning に変更したが、その後研究領域はどのように展開したのか。本研究の目的は、インターンシップ研究に焦点を当て、学会英語名称変更前後の研究動向からその展開状況を把握し、学会研究の特徴を明らかにすることである。研究方法としては、日本インターンシップ学会と隣接する2つの学会(日本ビジネス実務学会、日本キャリアデザイン学会)の研究誌に掲載された2005~2020年度までの論文等をドキュメント分析し、比較検討した。

    その結果、インターンシップの主体となる「学習者」、「教育機関」、「労働市場」の3つの視点からみた研究動向の特徴としては、近年になるほど実証研究が増えてきており、学修成果の可視化など文教政策に対応した教育効果をエビデンスとして示すアプローチが2018年度以降増加の傾向がみられた。また、制度・政策をテーマとした研究アプローチは日本インターンシップ学会の特徴でもあった。実践を研究対象とする学会では、設立当初しばらくは学会のコアテーマ探索期として多種多様な事例や研究アプローチが混在していたが、10年以上経過した周年事業を節目に、学会名称を問い直すシンポジウム等が開催され、研究誌の査読基準も定まってくることから、学会独自の研究水準が確立され始めるという共通性がみられた。

  • 古田 克利
    2021 年24 巻 p. 41-49
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー

    本稿の目的は、インターンシップを通じた「学びと成長」の実証分析の枠組みについて現状を整理し、今後の課題を提示することである。具体的には、(1)インターンシップを通じて得られる学修成果、(2)それが生み出されるメカニズム、という2つの視点から先行研究を概観し、実証分析の枠組みの体系化を試みた。 インターンシップを通じて得られる学修成果の視点からは、吉本(2020)で示された学修成果指標・職業コンピテンシーとレベルのマトリクス・モデルにもとづき、インターンシップを通じて得られる学修成果としてコンピテンシー、社会人基礎力、エンプロイアビリティの位置付けを整理した。コンピテンシーの階層性(汎用的コンピテンシー、領域特殊的コンピテンシー)を提示し、そこに包含される概念として社会人基礎力とエンプロイアビリティを位置付けた。その上で、領域特殊型コンピテンシーとエンプロイアビリティに関する実証分析の蓄積が今後の課題であることを指摘した。また、インターンシップを通じて得られる学修成果が生み出されるメカニズムの視点からは、学術的成果にもとづく仮説生成型のアプローチと、質的方法論にもとづく仮説生成型のアプローチを取り上げその具体例を示した。インターンシップの研究視座の体系化と総合に向けて、両アプローチにもとづくインターンシップ研究の実証分析の方法論を確立することを今後の課題として指摘した。

  • ―大学における教員養成の職業的な経験の機会に着目して―
    山口 圭介
    2021 年24 巻 p. 51-60
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー

    本稿の目的は、職業統合的学習の視点に基づき、現在の大学における教員養成の在り方を再検討することである。そのため、本稿では、まず、我が国の教員養成の基本的性格と直面する課題、大学における教員養成への期待と改善の方向性を改めて確認し、「養成・採用・研修の一体的改革」による充実・改善の趣旨と方向性を踏まえた大学における教員養成の構造と枠組みを導出すると共に、職業統合的学習の視点に基づく再考の必要性を明らかにした。これを踏まえ、次に、職業統合的学習の視点から、大学における教員養成の職業的な経験の機会を“国の定める教職課程”“各大学・学部の定める教育課程”“自治体等の定める各種プログラム”の3つの枠組みのもとで検討すると共に、実践的指導力の基礎の育成を目指す教員養成の充実・改善を図るために大学が取組むべき課題を解明した。

    これらの考察に加え、本稿では、大学における教員養成への着目が企業等におけるインターンシップを考える上で多くの示唆を与えるものであること、職業統合的学習の視点が企業等におけるインターンシップと教員養成における職業的な経験の機会の架橋を可能にするものであることにも論及した。

  • 亀野 淳
    2021 年24 巻 p. 61-69
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー

    本稿では、これまでの大学生のインターンシップ研究においては受入れ側である企業側の視点によるものが少ないことを明らかにし、今後の研究発展の可能性について考察を行った。具体的には、企業側からみたインターンシップの意義・メリットについて整理を行った上で、企業側の視点でインターンシップの効果を、 ①新卒採用効果、②離職抑制・定着効果、③従業員の育成効果の3つに分類し、それぞれの先行研究を整理した。また、この3つの効果について、情報の非対称性、Realistic Job Preview (RJP)、採用ブランド力、リアリティショック、経験学習など人的資源管理論等の理論を援用しながら研究の到達点と発展可能性を考察した。さらに、インターンシップの周辺領域にある取組みとしてアルバイトや産学連携教育について取り上げ、これらの先行研究を整理するとともに、その位置づけや国際比較のあり方など研究発展性についても言及した。

  • ―大卒社会人3年目(2016年・2017年入社)調査に基づいて―
    本庄 麻美子
    2021 年24 巻 p. 71-79
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、初職に定着している者、早期離職行動をした者を比較し、初職に就いた企業・組織での入社前のインターンシップやアルバイトの就業経験が、大卒の早期離職率減少に寄与しているのかどうか明らかにすることにある。大卒社会人3年目(2016・2017年入社)882名対象の質問紙調査に基づき分析を行った。その結果、入社前の就業経験がなかった者と比べて、入社前に職場の中長期インターンシップを経験した者は「条件ショック」、「仕事ショック」、「他者能力ショック」、短期インターンシップを経験した者も「仕事ショック」、「他者能力ショック」といった入社後リアリティ・ショックの軽減に効果があったことが示された。また、早期離職行動も抑制されていることが明らかとなった。一方、アルバイト経験に関しては、インターンシップ経験と同じようなショック軽減はみられず、離職行動も抑制しないことが示された。

  • 宮田 弘一
    2021 年24 巻 p. 81-89
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー

    本稿の目的は、大学のインターンシップ研究を以下に示す分析枠組に則りレビューし、同研究の動向と課題を析出することにある。本稿の分析枠組とは、インターンシップ研究の内容に従って、「制度化・導入・推進機関」に関する研究、「現状」に関する研究、「効果・成果」に関する研究に類型化したものである。結果、同研究はインターンシップの多様化に応じて科目ごとの「現状」に関する研究がボリュームゾーンを占めるも、各領域での研究が蓄積されていた。とりわけ、科目ごとの「効果・成果」の研究に関心が集まり、過去のレビュー論文と比較して、その研究比重が高まっていた。

    各領域の課題として、①「制度化・導入・推進機関」に関する研究では、諸外国のインターンシップの在り方から我が国のインターンシップを省察する研究や、制度の生成過程を明らかにする研究が、②「現状」に関する研究では、学生及び受入れ企業の視点からインターンシップを捉えた研究や、公開されているシラバスをもとにした研究が、③「効果・成果」では、因果推論や計量経済学で用いられている手法の援用や、「インターンシップと企業に参入した後のキャリア・組織行動」等の研究が、それぞれ求められると指摘した。

  • 伊藤 文男, 大串 恵太
    2021 年24 巻 p. 91-98
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー

    コロナ禍の2020年、対面型のインターンシップの実施が困難になった。「学びを止めるな」という思いから、フルリモート型インターンシップを複数の事業所と協働開発し実施した。この開発のプロセスを、経済産業省が作成したインターンシップ実践のためのコーディネーターガイドブックのプロセスと比較しながら整理した。その結果、フルリモート型インターンシップの開発においては、当事者全員がコーディネーターとして協働し開発・実施が可能であること、課題協働型インターンシップに適していること、ICT に関する環境整備が必要なこと、フルリモート型インターンシップの振り返りから得られた知見は対面型インターンシップにも十分参考になることが明らかになった。さらに、全国の大学や事業所との連携が可能で、新たなインターンシップの開発に結びつく可能性が示唆された。

  • 2021 年24 巻 p. App1-
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー
  • 2021 年24 巻 p. Cover4-
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/14
    ジャーナル フリー
feedback
Top