インターンシップ研究年報
Online ISSN : 2433-1996
Print ISSN : 1881-1663
大学におけるインターンシップ研究の動向と課題
宮田 弘一
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2021 年 24 巻 p. 81-89

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抄録

本稿の目的は、大学のインターンシップ研究を以下に示す分析枠組に則りレビューし、同研究の動向と課題を析出することにある。本稿の分析枠組とは、インターンシップ研究の内容に従って、「制度化・導入・推進機関」に関する研究、「現状」に関する研究、「効果・成果」に関する研究に類型化したものである。結果、同研究はインターンシップの多様化に応じて科目ごとの「現状」に関する研究がボリュームゾーンを占めるも、各領域での研究が蓄積されていた。とりわけ、科目ごとの「効果・成果」の研究に関心が集まり、過去のレビュー論文と比較して、その研究比重が高まっていた。

各領域の課題として、①「制度化・導入・推進機関」に関する研究では、諸外国のインターンシップの在り方から我が国のインターンシップを省察する研究や、制度の生成過程を明らかにする研究が、②「現状」に関する研究では、学生及び受入れ企業の視点からインターンシップを捉えた研究や、公開されているシラバスをもとにした研究が、③「効果・成果」では、因果推論や計量経済学で用いられている手法の援用や、「インターンシップと企業に参入した後のキャリア・組織行動」等の研究が、それぞれ求められると指摘した。

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© 2021 日本インターンシップ学会
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