2020 年 39 巻 4 号 p. 355-361
目的 : 形状と表面加工が同一で長さが異なる2本のセメントレステーパードラウンドステム (Synergy SelectおよびSelect Ⅱ) を比較し, 15mmのステム長短縮が臨床およびX線学的成績に及ぼす影響を明らかにする。
方法 : 100か月以上経過観察したSelect群41例45関節, Select Ⅱ群48例50関節を対象とした。患者背景に有意差はなかった。JOAスコアで機能評価を行い, 大腿部痛の有無を確認した。挿入したステムのサイズと挿入アライメントを調べた。最終観察時の生物学的固定性とステムの沈み込み, ステム周囲の骨反応とストレスシールディングの程度を評価した。
結果 : JOAスコアは両群とも94点で術前より有意に改善した。大腿部痛はいずれもみられなかった。ステムサイズはSelect Ⅱ群で1サイズ有意に小さかった。アライメントは中間位挿入の割合がSelect群62%, Select Ⅱ群76%であった (有意差なし)。すべての症例でステムの固定性は安定しており再置換を要した症例はなく, 3mm以上の沈み込みもみられなかった。Spot weldsがステムの遠位部にみられ, 重度のストレスシールディングを呈する例もあったが有意差はなかった。Select Ⅱ群で軽度のストレスシールディングが多い傾向にあった。
考察 : 15mmの短縮ではコンベンショナルステムの臨床およびX線学的成績を低下させなかった。また, 短縮によりストレスシールディングの程度を減らす可能性が示唆された。