日本関節病学会誌
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原著
変形性股関節症性変化のない大腿骨近位部骨折に対するセメント人工股関節のカップ設置高位と内方化の検討
原田 豪人藤田 裕片岡 正尚冨永 智大奥谷 祐希室谷 好紀
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2020 年 39 巻 4 号 p. 367-370

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抄録

目的 : 変形性関節症性 (OA) 変化のない股関節に対するセメント人工股関節置換術 (THA) 後のカップ設置位置について大腿骨近位部骨折症例をもとに検討した。

方法 : 2003年4月から2018年10月までに施行した初回THA743例934股のうち, 原疾患が大腿骨近位部骨折の新鮮骨折例または過去の骨折後偽関節や大腿骨頭壊死にて再手術を要した症例で, 両側股関節にOA変化がない18例を対象とした。男性5例, 女性13例, 手術時平均年齢は68.5歳 (51〜83歳) であった。術後1週の両股仰臥位正面X線像において両股関節の骨頭中心から涙痕間線までの垂直距離の患健差を計測し, 高位設置の程度として評価した。また骨頭中心と涙痕までの水平距離の患健差を計測し, 内方化の程度として評価した。

結果 : 健側正常股関節と比較したカップの設置高位は平均8.0mm高位であった。患健差は5mm以内のものは6例33%で, 10mm以上のものは10例56%であった。内方化の程度は平均5.8mm内方であった。

考察 : セメントカップ設置には臼底の軟部組織と軟骨および軟骨下骨を完全に除去し海綿骨を露出する必要がある。術前にOA変化がなくとも5〜10mm程度は健側正常股関節から推定する原臼位よりもカップ中心が高位となることが想定される。大腿骨近位部骨折症例のTHAに関する原臼位の基準は8mm高位で6mm内方であると考えられた。

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