日本関節病学会誌
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原著
逆V字型高位脛骨骨切り術における腓骨強斜位骨切り部の周術期合併症および骨癒合率の検討
上田 大輔安田 和則薮内 康史小野寺 純小野寺 伸八木 知徳近藤 英司
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2020 年 39 巻 4 号 p. 397-401

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抄録

目的 : 高位脛骨骨切り術 (以下HTO) に伴う腓骨短縮に関しては, 合併症や有痛性偽関節が問題となっている。我々は腓骨中央部に強斜位骨切りのみを加える術式を行っている。本論文の目的は, この術式の簡便性, 安全性, 骨癒合を評価することである。

方法 : 逆V字型HTOに先立ち, 腓骨強斜位骨切り処置が行われた変形性膝関節症患者30人34膝を対象とした。腓骨骨切り術に要した時間, 出血量, 周術期合併症の有無を調査し, 単純X線写真にて骨癒合の時期について評価した。

結果 : 要した時間は約5分。術後出血は全例で微量, 周術期合併症はなかった。腓骨の骨癒合は34膝中29膝 (85.3%) で得られ, 骨癒合の時期は平均6.1か月であった。術直後における腓骨骨切り部の離開距離と骨癒合時期との間には有意の相関を認めた (R=0.73, P<0.001)。

考察 : 外側楔状閉鎖式HTOに伴う腓骨骨切り術には, 絶対的な安全性および簡便さが条件となる。本研究で, 腓骨強斜位骨切り術は簡便かつ極めて安全な術式であることが示唆された。一方, 腓骨の癒合率は過去の報告と比較すると高率で有用な術式と言えるが, さらなる改善を目指す必要がある。

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© 2020 日本関節病学会
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