日本関節病学会誌
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原著
タイトコントロール下のRA上肢手術
〜肘関節鏡視下滑膜切除術・手指関節手術〜
中川 夏子上藤 淳郎岸本 健太青木 謙二高山 博行原田 俊彦
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2021 年 40 巻 2 号 p. 82-88

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抄録

はじめに : 近年の関節リウマチ (RA) 薬物治療の進歩により, RAに伴う関節破壊も抑制され修復される可能性もあり, 整形外科手術治療戦略も変化してきている。RAタイトコントロール下での手術で, 特に上肢関節鏡視下滑膜切除術や手指関節などの手術について考察する。

RA肘関節鏡視下滑膜切除術 : 疾患活動性が良好でも一部の関節に炎症が残存することがあり, その結果関節破壊や変形進行が生じる。肘関節滑膜炎の保存的治療無効例では, 関節鏡視下滑膜切除術を考慮する。これは関節温存や機能の観点からも重要であり, タイミングがポイントであるが, 症例によっては, ある程度関節破壊が進行しても治療オプションとなり得る。

RA手指関節手術 : 肘関節同様, 残存手指関節炎は, 関節破壊や変形の原因になり得るため, 保存的治療抵抗例では滑膜切除術を考慮する。また炎症は沈静化していても, 関節破壊が進むこともあり, 手術的治療の適応を見極める。RA手指変形においては, 外観の問題も含め状況により手術方法を考慮し, 関節温存手術が可能であれば施行する。比較的若年者で関節破壊が進行しておらず, 変形も軽度である場合は特に関節温存手術が適応可能かを判断する。

まとめ : 今後, タイトコントロール下のRA上肢手術の重要性が高まり, 手術内容の進化が期待される中, より積極的に行っていきたいと考える。

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