日本関節病学会誌
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原著
前十字靱帯再建術後の疼痛管理
吉田 勝浩小林 秀男高橋 洋二郎紺野 慎一
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2021 年 40 巻 4 号 p. 425-429

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抄録

はじめに : 前十字靱帯 (anterior cruciate ligament: ACL) 再建術後は, スムーズなリハビリテーションのため, 良好な疼痛コントロールが求められる。我々は, 以前は持続硬膜外ブロック (continuous epidural block: Epi) と術後鎮痛薬の内服のみで疼痛管理を行ってきた。しかし, 疼痛管理が不十分と考えられため, 関節周囲多剤カクテル注射療法 (periarticular multimodal drug injection: PMDI), 先行鎮痛を追加していき, 現在は, Epi, PMDI, 先行鎮痛を組み合わせて施行している。

目的 : 本研究の目的は, ACL再建術後の疼痛管理方法について, 比較検討することである。

対象と方法 : Epiと術後鎮痛薬の内服で疼痛管理を行った12例 (A群), Epi, 術後鎮痛薬の内服とPMDIを行った18例 (B群), Epi, PMDIと先行鎮痛を行った69例 (C群) を対象とした。先行鎮痛は, 手術当日の朝8時にセレコキシブ200mg (50kg未満の未成年は100mg) とドンペリドン10mgの内服, 20時にセレコキシブ200mg (50kg未満の未成年は100mg) の内服とした。術後の追加鎮痛薬の使用回数と有害事象について検討した。

結果 : 術後の追加鎮痛薬の使用回数はA群では平均2.3±0.49回, B群では平均1.2±0.35回, C群で平均0.2±0.1回であり, C群で有意に少なかった。悪心・嘔吐などの有害事象は, 3群間で有意差はなかった。

結論 : ACL再建術後の疼痛管理は, Epi, PMDI, 先行鎮痛を組み合わせて行うことで良好となる。

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