2021 年 40 巻 4 号 p. 430-433
目的 : 母指CM関節症に対する関節形成術は, さまざまな術式が報告されてはいるが, 治療成績について結論は出ていない。今回, 我々は, スーチャーボタンを併用した鏡視下大菱形骨部分切除術による関節形成術を行ったので, 術式選択について報告する。
方法 : 保存加療が無効な母指CM関節症を手術適応とし, 術後6か月以上経過観察可能であった18例を対象とした。平均年齢65.1歳 (48~81歳) で, 男性7例, 女性11例であった。手術方法としては, 鏡視下に大菱形骨遠位関節面を部分切除後, ミニタイトロープにて第1中手骨基部と第2中手骨骨幹部近位を制動固定した。10日間のthumb spica cast固定後, 可動域訓練を行った。
結果 : 疼痛 (術前平均VAS 76.7) は術後6か月 (平均VAS 13.8) で有意に減少した (P<0.001)。可動域は, 掌側外転 (術前平均58.3°術後平均70.7°), 橈側外転 (術前平均45.7°術後平均61.0°) とも有意に増加した (P<0.05)。quick DASHスコア (術前平均36.5) は術後6か月 (平均14.9) で有意に改善した (P<0.001)
考察 : 本法はスーチャーボタンにて制動するため術後早期からのリハビリテーションが可能で, さらに, 鏡視下手術のため低侵襲であるという利点がある。母指CM関節症に対して, スーチャーボタン併用鏡視下関節形成術は, 有効な治療法であると考えられた。