2022 年 41 巻 2 号 p. 44-49
目的:変形性膝関節症(膝OA)に対するジクロフェナク結合ヒアルロン酸Na(DF-HA)関節内注射にはアナフィラキシーショックを含む重篤な副作用が報告されている。アレルギー反応は抗原に接触した1回目には起らないが,2回目に接触した時に重篤なアレルギー反応が起る。そこで1回目のみDF-HA注射を行い,2回目はHA注射を行った場合の副作用発生頻度と治療効果を評価した。
方法:56例の膝OA患者が前向きに無作為に2群に分類した。初回にDF-HA注射を受け,4週後にHA注射を受けた26例をDF-HA群とし,毎週5回HA注射を受けた26例を対照群とした。臨床評価は5週間後に行った。それぞれの群で治療前と治療後のLequesne重症度指数の改善点数を評価した。参加者に割り当てられた注射が原因だと考える副作用について質問を行った。
結果:アナフィラキシーショックを含む重篤な副作用を起こした症例はなかった。寛解点数は対照群(3.5±4点)に比べてDF-HA群(6.8±4.5点)で有意に改善した(P=0.014)。
考察:DF-HA注射は単回関節注射した場合には重篤な副作用は起らなかった。DF-HAを併用された患者の寛解点数はHA注射を連続して受けた患者より優れていた。DF-HAの単回注射は比較的安全で効果的であると結論した。