日本関節病学会誌
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Posterior-stabilized TKAにおいて骨切り角度が術中軟部組織解離と臨床成績に与える影響
木下 智文忽那 辰彦清松 悠津田 貴史髙尾 正樹日野 和典渡森 一光
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2024 年 43 巻 1 号 p. 32-37

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抄録

目的:Posterior-stabilized TKA(PS-TKA)において骨切り角度が術中軟部組織解離と術後成績に与える影響を検証した。

方法:内反膝に対しPS-TKAを行った359例を対象とし,術後外側遠位大腿骨関節面角(LDFA)と内側近位脛骨関節面角(MPTA),術後HKAの各項目で±2度以内をNeutral(N群),3度以上逸脱した群をそれぞれ内反群・外反群とし,さらに術中内側軟部組織解離あり群,なし群のそれぞれ2群間で術後1年の2011 Knee Society Score(KSS)を比較した。

結果:術後LDFA,MPTA,HKAは平均91.2±1.9度,89.8±1.8度,1.7±2.7度であった。LDFAは群間でKSSに差はなかった一方で,MPTAでは内反群が外反群に比して期待値・活動性が有意に高く(ともにP=0.02),N群と比較しても活動性で高値であった(P=0.03)。さらにHKAにおいて,内反群はN群と比較し症状,満足度,期待度で有意に高値であった(P=0.02,0.02,<.0001)。また解離あり群となし群ではMPTAに差を認め(あり群90.2度 vs. なし群89.2度:P=0.03),あり群で術後満足度が有意に低かった(P=0.01)

考察:本研究結果から,術中骨切り角度と軟部組織解離は術後成績に影響を与える可能性が明らかとなった。内反角度やその長期成績への影響は検証の必要性があるが,重度の内反変形を呈する症例も多い日本人膝において外反骨切りを避け,軽度の内反を許容する術式は臨床成績の改善につながることが示唆された。

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