目的:HAQの20小項目を遂行するために必要となる筋力と片側上肢可動域を含めた四肢関節可動域を検討し,そのカットオフ値を明らかにする。
方法:対象は2022年8月から当院で施行した自重運動(BELU)の効果を明らかにする介入試験に参加したRA患者52名とした。運動介入前に,ROM(肩屈曲・外転,肘屈曲・伸展,股関節屈曲・外転,膝関節屈曲・伸展),母指・示指TPD,前腕屈筋群・上腕二頭筋・大腿四頭筋筋力,握力,側方・指腹つまみ筋力を測定した。ROMは利き手と非利き手を,筋力は利き手筋力と利き手比を用いて解析した。各質問のスコアを0点とそれ以外の2群に分け,2群間のROM,筋力をt検定を用いて解析した。有意差を認めた項目を変数として各質問に影響を及ぼす因子を多変量ロジスティック回帰分析を用いて解析した。カットオフ値はROC解析を用いて曲線下面積0.8以上を採用した。
結果:利き手握力は,家事雑用の「車の乗り降り」と「掃除機・庭仕事を行う」と関連を認め,それぞれ17.3kg,16.9kgであった。利き手側方つまみは,届く範囲の「頭上の2Lペットボトルを下におろす」で関連を認め62Nであった。
考察:RA患者において,本研究のカットオフ値が日常生活動作能力予測の指標や目標値にもなる可能性がある。