日本乳酸菌学会誌
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総説
プロバイオティック乳酸菌と常在腸内細菌
大橋 雄二
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2006 年 17 巻 2 号 p. 118-124

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抄録

プロバイオティクスは多くの保健効果を持つ。その効果は腸内細菌叢とその活性を改善することによりもたらされる。摂取したプロバイオティック乳酸菌と常在腸内細菌の間には共生や競合関係が存在し、その結果、乳酸菌数の増加など腸内細菌叢、腸内環境が改善されると推察される。常在腸内細菌叢はその形成過程において様々な要因を受け、各個人により異なる。腸内細菌叢が個人により異なることは、摂取したプロバイオティック乳酸菌と常在腸内細菌の関係が各個人で異なることを示し、腸内細菌叢の違いによりプロバイオティクス摂取によってもたらされる保健効果に個人差が生じると考えられる。常在腸内細菌はプロバイオティクスの保健効果に影響する重要な要因の一つである。

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© 2006 日本乳酸菌学会
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