2017 年 28 巻 1 号 p. 3-11
論文発表は研究の一部である。そして多くの学術雑誌は、論文発表される塩基配列を国際塩基配列データベース(International Nucleotide Sequence Database Collaboration; INSDC)に登録することを義務付けている。この意味において、これまで本連載で述べてきた解析手法に関する事柄とは若干スタンスが異なるが、ゲノム配列の登録作業もまた研究の一環といえる。第 9 回は、前回までに構築したゲノム配列 Lactobacillus hokkaidonensis LOOC260T の総仕上げとして、染色体複製開始点の同定と回転、ゲノムアノテーション、INSDC を構成する日米欧三極の一つであるDNA Data Bank of Japan(DDBJ)への登録、そしてDNAPlotter を用いたアノテーション結果の描画について解説する。ウェブサイト(Rで)塩基配列解析(URL: http://
www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html)中に本連載をまとめた項目(URL: http://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html#about_book_
JSLAB)が存在する。ウェブ資料(以下、W)や関連ウェブサイトなどを効率的に活用してほしい。