抄録
本調査流域は、秋吉台国立公園の北東部に位置する「赤郷ポリエ」内であり、東側に山地、西側はカルスト台地まで続く巨大なポリエによる沖積低地が広がる。また、山地と沖積低地の間には段丘地形が発達し、さらに、この地域内にはウバーレと呼ばれる凹地状の地形が広がっている。地層構造は基盤岩である石灰岩の上位に石灰岩残留粘土「テラ・ロッサ」が存在し、土地利用としては主に農地や水田の分布が見られる。本調査は、テラ・ロッサ土壌および石灰岩中に浸透する地下水の水質組成を整理するとともに、農地で使用する窒素肥料がこれらの水質に与える影響についてとりまとめた。