日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: L6
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指定講義
視覚障害者に対するADL評価
*松本 憲二道免 和久山縣 祥隆
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抄録

リハビリテーション(以下リハ)医学において、障害は「機能障害(impairment)」、「能力低下(disability)」、「社会的不利(handicap)」に分類され、障害の程度、リハによる変化を計測するために、各障害レベルにおいて評価法が作成されている。個人レベルの機能の問題を意味する「能力低下」のレベルには、あらゆる個人が毎日の生活を送る上で必要な基本活動の一式(セルフケア、移乗・移動、括約筋コントロール)であるADLと、さらに一人暮らしに必要な動作(外出、家事、買い物など)の手段的ADL(IADL:Instrumental ADL)とに分けられて評価されている。
リハ医学で頻用されている代表的なADL評価法としてBarthel IndexとFIM(Functional Independence Measure)、IADL評価法としてLawtonによる評価法がある。しかし、視覚障害患者に対するこれらのADL評価法の有用性は示されていない。一方、我々が狩猟した範囲では、視覚障害者を対象とした、能力低下としての包括的なADL評価法はわが団にはない。海外においては、主観的な面を含めたNIH-WQ(Mangione CM,1998)、ADLと視覚課題の評価を組み合わせたMelborne low vision ADL Index(Haymes SA, 2001)が報告されている。すぐれた包括的な障害の評価法と考えられるが、単一の障害レベルの評価法とはいえない。
今回、肢体不自由老において信頼性・妥当性が確認されているFIMのADL項目にIADL項目を付け加えた評価法を作成し、視覚障害者を対象として評価を行なった。本評価法の紹介、有用性、評価の問題点について報告する予定である。

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© 2005 日本ロービジョン学会・日本視覚障害リハビリテーション協会
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