日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: P_I_
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ポスターセッション_I_
エッシェンバッハ光学製ワークルーペの倍率と作業距離
*田辺 正明魚里 博辻 一央
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抄録

【目的】
エッシェンバッハ光学製ワークルーペ「ラボ_-_クリップ」はロービジョン者が中間視をするために有用な光学的補助具であり、説明書には使用可能な倍率、作業距離が記載されているが、実務で使用する倍率、作業距離と異なっている。そこで、説明された作業距離で表示倍率を得られるか検証し、適切な作業距離を明らかにする。
【方法】
ワークルーペの屈折力をエッシェンバッハのカタログなどで調べると同時にレンズメーターでも実測し、適切な屈折力を決める。表示倍率は「屈折力/4」および「屈折力/4+1」では表されていないので、説明書に記載された作業距離で必要となる調節力を求め、レンズと調節力の合成屈折力の焦点上に物体を置いて得られる無限遠上の虚像に対する視角と、基準距離を25cmとした物体に対する視角の比となる実倍率を求める。その数値が表示倍率と異なる場合は、表示倍率を得るために必要な作業距離を求める。
【結果】
レンズの屈折力は英語版カタログによる主点屈折力の数値が適切であった。説明書に記載された作業距離をレンズと物体間距離と解釈すると、単眼用ルーペでは表示倍率が得られるが、双眼用ルーペでは表示倍率より低い倍率となった。これはエッシェンバッハ光学の作業距離の表記法は双眼用ルーペの場合は眼と物体間距離、単眼用ルーペの場合はレンズと物体間距離を用いており、倍率の表記法は+8D以下のものは「合成屈折力/4+1」 、+8Dを超えるものに関しては「合成屈折力/4」 となっていることに起因している。しかし、双眼用ルーペに関しては説明書に記載された作業距離は「合成屈折力/4」の倍率で使用した場合の数値であり、表示倍率は調節力を付加し作業距離を更に短くした場合に得られる。

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© 2005 日本ロービジョン学会
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