日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: O_I_
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O_I_ ロービジョンケア
黄斑変性症例に対する屋内用遮光眼鏡の検討
*阿曽沼 早苗長行司 純子前田 江麻松村 香奈小嶋 由香中前 美佳不二門 尚前田 直之田中 仁菜
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抄録

【目的】黄斑変性の患者が屋内での羞明を訴える場合、遮光眼鏡を処方することがある。屋内用遮光眼鏡を紹介するにあたり、コントラスト感度を測定することで他覚的評価を行い、正常者が遮光眼鏡を装用した場合と比較をおこない、黄斑変性症例にとっての屋内用遮光眼鏡の有用性を検討したので報告する。【対象と方法】対象は、2004年3月から2005年6月の間に大阪大学病院眼科ロービジョン外来に来院した両眼黄斑変性症の患者15例。年齢は47_から_84(70.5±6.5)歳、視力は良い方の眼が0.01_から_0.7(0.79±0.12logMAR)であった。正常者は、眼疾患を有さず視力が(1.2)以上の18_から_49(27.1±8.1)歳、16例とした。東海光学CCP ® ACを装用した対象者に対して、非装用下と装用下において、低コントラストの文字コントラスト感度検査装置であるCSV-1000LV(Vector Vision社製)を用いて2.5mの距離で測定を行い結果を比較検討した。【結果】CCPACを装用することで輝度は15_%_低下した。しかしながらlogコントラスト感度は、黄斑変性群においてCCP ® AC非装用下では、0.8±0.6であったが、装用下では1.1±0.9と、CCP ® ACを装用すると有意に(p<(全角)0.001:Paired t-test)改善した。正常群においては、CCP ® AC非装用下では、1.95±0、装用下も1.95±0であり、変化は認められなかった。よって、黄斑変性群は正常群と比較してCCP ® ACによるコントラスト感度の変化量が大きかった(p=0.001:Mann-Whitney Rank Sum Test)。【まとめ】遮光眼鏡は、黄斑変性患者の屋内における文字コントラスト感度を向上させるのに有用であることが示唆された。あった。また、遮光眼鏡の選定に際してコントラスト感度を測定することは、他覚的評価の一つとして有効であった

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© 2005 日本ロービジョン学会
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