日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: O_I_
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O_I_ ロービジョンケア
ロービジョン外来受診者の身体障害者手帳について
*江口  万祐子中村  昌弘杉谷 邦子筑田 眞
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抄録

【目的】獨協医科大学越谷病院眼科(以下当科)ロービジョン(以下LV)外来を受診した患者の身体障害者手帳(以下手帳)の取得状況および使用状況について調べた。また手帳について眼科医へのアンケート調査を行ったので報告する。【対象および方法】平成13年11月から平成16年11月までに当科LV外来を受診した患者うち手帳に該当する143例を対象とし、LV外来受診時およびLVケア後の手帳の有無・等級の内訳・使用状況について検討した。また当院眼科医に対し、手帳の等級とその基準・申請場所・利得について等アンケート調査を行った。【結果】手帳の有無については、LV外来受診時「手帳あり」59_%_、「手帳なし」41_%_であった。「手帳なし」の中には「手帳の存在自体知らなかった」「自分が該当することを知らなかった」症例があり、手帳取得の利得を説明したところ26_%_が申請し、LVケア後は「手帳あり」85_%_、「手帳なし」15_%_となった。等級の内訳については、視機能の再評価をしたところ11_%_が等級を更新することができ、LVケア後は2級取得者が約2倍に増加した。使用状況については、LV外来受診時「手帳あり」のほとんどの症例が交通費や医療費の助成の利用のみにとどまっていた。その理由として「他に利用できる福祉サービスの内容を知らない」「補助具を申請しようとしたら役所で必要性をしつこく聞かれ嫌になってやめた」などが挙げられ、また手帳取得時に役所が行う利用可能なサービスの案内には偏りがみられた。眼科医へのアンケート調査では、手帳の等級やその基準について「知っている」100_%_であったものの、どこで申請するか「知らない」25_%_、手帳の利得について「知らない」25_%_であった。【結論】手帳に該当する視覚障害者がみな公平に福祉サービスを受けられるよう、患者・眼科医療従事者・福祉各機関へと広く啓蒙活動を行う必要があると考えられた。

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© 2005 日本ロービジョン学会
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