日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: O_I_
会議情報

O_I_ ロービジョンケア
施設入所前に医療機関においてロービジョン訓練を行った症例
医療機関と施設との連携を目指して
*斎藤 敦子田中 憲児田中 明美
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】ロービジョンクリニックにおいて、施設入所前の不安を軽減し、復職後の継続訓練をめざす。
【対象】網膜色素変性により、高度の求心性視野狭窄を来たした40歳代の男性で、定期人事異動後業務内容の変更に伴い、就労の継続に際して困難を訴えたため、休職してリハビリテーションを行うために施設入所した症例。
【方法】施設入所の前日から9ヶ月の病気休暇に入ることになったが、その前に年次休暇を18日分取得してロービジョン訓練を行った。期間は平成17年6月中計4回、内容は以下の通りである。
(1)歩行訓練:白杖の紹介。白杖を用いた階段昇降・エスカレーター乗降。
(2)補助具の紹介:拡大鏡・単眼鏡・罫プレートの紹介。
(3)パソコン訓練:ショートカットキー・視覚障害者支援ソフトウェアの紹介。
【結果】施設入所前にプレ訓練を行うことにより入所前の不安が軽減された。
【結論】今回の対象者は、施設での訓練終了後に配置転換での職場復帰が見込まれている。進行性の疾患であることを鑑みると、復職した後も引き続きロービジョンクリニックにおけるサポートが必要な症例で、視覚障害者更生援護施設と医療機関のロービジョンクリニックとの連携が重要である。

著者関連情報
© 2005 日本ロービジョン学会
前の記事 次の記事
feedback
Top