主催: 日本ロービジョン学会, 視覚障害リハビリテーション協会
【目的】我々は音声パソコン(PC)教室を開催して10年を経過したが、さらに音声PCの普及をはかるために、音声PCのテキストについて検討した。
【方法と対象】信楽園病院の音声PC教室および新潟県内外の姉妹校に参加している視覚障害者101名、晴眼のボランティア45名を対象に、音声PCテキストの有無、必要性、内容などについて、面接、電子メール、郵送によりアンケート調査した。
【結果】障害者は、音声PCの指導を受ける場合、晴眼者から声で教えてもらう場合が最も多く64名(63.4_%_)で、次いでオンラインマニュアルを使用28名(27.7_%_)、テープ13名(12.9_%_)の順であった。70名(69.3_%_)が初心者でもわかるように手順を書いたテキストを希望しており、77名(76.2_%_)がCDやテープなどの音声化を望んでいた。内容としては、半数以上の人がワープロ、電子メール、ホームページ、手紙・はがきの書き方、住所録の管理、を希望していた。 晴眼者の回答では、20名(44.4_%_)がテキストをもたず、29名(69.0_%_)がわかりやすいテキストを望んでいた。また、25名(55.5_%_)が目の不自由な人に教えるときに気をつける点を含めて欲しいと答えたことは注目された。
【考按】1995年より週2回行っている我々の「音声PC教室」は、現在視覚障害者が肢体不自由者や高齢者にも教えている。教室の存在は、情報交換、仲間作り、心のケア、さらに就労にも役立っている。障害者がもっと楽にPCの技術を身につけられないかと検討を行ってきた。今回の結果より障害者、晴眼者ともに手順を含めたわかりやすいテキストを希望していることが明らかになった。以上の点を考慮したテキストを現在作成中である。