日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: O_II_
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O_II_ 症例/地域連携
重度の糖尿病による視覚障害者への更生施設におけるチームアプローチ
多職種による包括的介入効果の検証
*鈴木 智子
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抄録

社会福祉法人全国ベーチェット協会江南施設には診療所が併設されており、ベーチェット病、糖尿病などの全身性疾患を持つ中途視覚障害者に対して医療サービスを行いながら社会復帰訓練を行ってきた。近年、糖尿病網膜症が失明原因疾患の第1位を占めるようになった視覚障害者数推計結果は本施設利用者像にも反映しており、障害も重度化、複雑化、個別化の傾向にある。このような糖尿病患者の血糖値コントロールは健康維持の上で欠かすことの出来ない要件であるにもかかわらず、必要な情報の多くを視覚に依存する人間行動の原理から、糖尿病による視覚障害者は食事、運動、服薬管理に多くの困難を生じる。さらに神経障害に起因する感覚障害、腎症による身体機能低下、人工透析による身体活動の制限など、深刻な健康問題と生活問題を併発する。本施設では、このような重層的ニーズを有する糖尿病による視覚障害者に対して、医療的ケア、血糖値コントロール、自己管理法の指導、ADLの獲得を、医療、看護、視覚障害者リハビリテーション、作業療法、ロービジョン・リハビリテーション、カウンセリング、栄養管理の各領域が包括的、且つ複合的に関わることで実現してきた。本研究では多職種による包括的介入が、重度の糖尿病による視覚障害者の身体的、社会的、心理的側面に与える影響をバイタル面と行動面で分析し、その効果を実証的に検証する。

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© 2005 日本ロービジョン学会
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