主催: 日本ロービジョン学会, 視覚障害リハビリテーション協会
【目的】定期人事異動後に就労の継続が困難になったと訴えたロービジョン者の就労の継続を図る。
【対象】網膜色素変性により高度の求心性視野狭窄を来たした40歳代の男性2名。
【方法】1症例目は異動後に仕事量が増加し処理能力を超えると訴えたので、直属の上司に診察に同行を求め視野狭窄をシミュレータで体験していただいて仕事量の再検討と拡大読書器を購入するなどの職場環境の整備を求めた。2症例目は病気休職して施設入所し、リハビリテーション訓練を受けた上で次回の定期人事異動時に配置転換を求めることにした。
【結果】1症例目は業務量の見直しがされた結果異動後の新部署での就労の継続が可能となり、2症例目は復職時に配置転換を行って視覚障害に関する業務を取り扱う部署に配属予定でリハビリテーションの経験を生かせるような役割を果たすことが期待されている。
【結論】就労中のロービジョン者が人事異動後に職務内容が変わることにより就労の継続に際しての困難が発生することがある。症例により事情が異なるため解決方法が異なるが、共通して言えることは職場内での理解を得て業務内容や業務量の見直しが必要である。