日本レーザー医学会誌
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特集「光イメージング」
体内蛍光像透視イメージング
清水 孝一
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2005 年 26 巻 3 号 p. 206-213

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抄録
光による生体透視により,体内構造や体内の生理的変化をイメージングすることができる.ラット脳の機能イメージングを例に,動物実験におけるこの方法の有用性を示す.蛍光物質を用いることにより,厚くて透過光の得られない生体部位に対しても,この方法を応用することができる.経皮蛍光イメージングの実応用例を,動物実験の結果として示す.経皮イメージングにおける散乱性画像ボケの問題を解決するため,深さ依存の点拡がり関数(PSF)によるデコンボルーション手法を提案した.PSFは,閉じた解析解として理論的に導出した.このPSFを用いることにより,散乱体内深さ1-15 mmの蛍光像のコントラストが改善された.この手法により,可視深さは2倍以上に増加した.ラット頭部のイメージングでは,特定深さの脳静脈の経皮像が,顕著に改善された.また臓器判別不能なほどに広がったラット胸部蛍光像が,心臓深さのPSFにより正しい心臓の像に再現された.提案手法により,実用における経皮蛍光イメージングの有用性が大きく向上すると考えられる.
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© 2005 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
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