2012 年 33 巻 1 号 p. 27-33
本報告では医用レーザー機器の安全に関する国際規格(IEC およびISO)と日本の規格(JIS)について解説する.基本となる規格は「IEC 60825−1 レーザ製品の安全基準」であり,これに対応するのがJIS C6802 である.関連規格としては「IEC 60601−2−22 医用レーザ機器 -手術,美容,治療および診断機器に関する実践と安全に関する要求事項」がある.規格には用語の定義,技術的仕様,ラベル,クラス分け,MPE(最大許容露光量)や使用者への指針も明記されている.規格作成にはアクシデントおよびインシデントの情報とその解析が重要である.高輝度ランプに関する規格「IEC 60601−2−57 非レーザ光源の治療,診断,モニタリング,美容およびエステティック利用における実践と安全に関する要求事項」もまもなく制定される.標準化作業はレギュラトリーサイエンスそのものである.