2014 年 34 巻 4 号 p. 367-371
加齢による卵巣の予備能低下が主な原因とされている難治性不妊症では,高度な生殖補助医療技術(Assisted Reproductive Technology:ART)に加えて補助的治療が必要となる.そこで我々は,血流改善効果を有する低反応レベルレーザー治療(Low reactive Level Laser Therapy:LLLT)に注目した.難治性不妊症患者337 例に対してLLLT を行い,妊娠した症例は110 例(妊娠率:32.6%)であった.漢方療法やメラトニン内服療法などの従来の補助的治療とほぼ同等の治療成績が得られ,LLLT も補助的治療の有効な手段に成り得ると考えられる.今後は従来の補助的治療と組み合わせることで,更なるART の治療成績の向上が期待される.