2014 年 35 巻 1 号 p. 56-61
色調・形態変化が軽微な早期消化管腫瘍の診断能向上のため従来色素内視鏡が広く行われていたが,2000 年代中ごろより機器ベースの画像強調内視鏡が臨床の場に導入された.その中で電気的な画像処理技術に加えて光学技術を用いるNBI は,従来の色調と形態に基づく内視鏡診断学に加えて血管像の評価を可能とすることで,早期消化管腫瘍の内視鏡診断能を大きく向上させた.2010 年代より主要内視鏡機器メーカーからNBI 同様に血管像の評価が可能な電気光学技術を用いた画像強調内視鏡が市販され,新たな診断学のさらなる普及が期待される.