日本レーザー医学会誌
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近赤外光を用いた診断・分析技術の新展開
動脈硬化プラークの強調観察に向けた波長1200 nm帯マルチスペクトル血管内視鏡の開発
松井 大地石井 克典長尾 亮粟津 邦男
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2015 年 36 巻 2 号 p. 216-221

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抄録

動脈硬化プラークの安定性を客観的かつ定量的に評価する手法が求められている.近赤外マルチスペクトルイメージング(near-infrared multispectral imaging; NIR-MSI)は,血管内視鏡とのマルチモダリティにより,プラークの形態情報および分光情報の同時取得が可能であると考えられる.本研究では,波長1200 nm帯マルチスペクトル血管内視鏡の開発を目的とし,動脈硬化プラークファントムを用いてその有効性について検討を行った.結果,血管内視鏡可視画像では検出困難なプラーク模擬部の強調観察に成功した.また,11 mm 厚みの生理食塩水下の動脈硬化プラークファントムの強調観察に成功した.波長1200 nm帯マルチスペクトル血管内視鏡は生理食塩水環境下で動脈硬化プラークの強調観察できる可能性が示唆された.

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© 2015 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
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