日本レーザー医学会誌
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老人性色素斑に対するレーザー治療に伴う炎症後色素沈着の発症についての後ろ向き研究:Qスイッチルビーレーザーと半波長QスイッチNd:YAGレーザーの比較
佐藤 卓士江藤 ひとみ小林 よう中山 玲玲井原 玲尾崎 峰多久嶋 亮彦
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2016 年 37 巻 1 号 p. 24-29

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抄録

炎症後色素沈着は老人性色素斑に対するQスイッチレーザー治療における憂慮すべき合併症の一つである.当科で治療した老人性色素斑128例158部位を対象に,Qスイッチルビーレーザー(波長694 nm)と半波長QスイッチNd:YAGレーザー(波長532 nm)の炎症後色素沈着の発症頻度を比較し,発症に影響する背景因子について検討した.発症率は半波長QスイッチNd:YAGレーザーが47.0% に対し,Qスイッチルビーレーザーが64.1% と有意に高かった.特に肝斑が同時に存在する,Fitzpatrick分類のスキンタイプIV,女性,濃い色素斑,大きい色素斑, これらの症例に対しては発症率がより低い半波長QスイッチNd:YAGレーザーを使用することが望ましいと考えられた.

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