近年,大きく深部におよぶ血管病変の治療は,レーザーを用いた組織内光凝固法によって大きな成果があげられ,期待がよせられている.本法はファイバーを通じてレーザーのエネルギーを直接深部の病変に送り込む方法である.これまでに群馬大学医学部附属病院歯科口腔・顎顔面外科では33 名の口腔血管病変に対してNd:YAG レーザーを用いた組織内光凝固法を行った.当初の治療スケジュールを完遂した28名は治療後にいずれも十分な病変の退縮と整容的,機能的にも満足な結果が得られた.組織の腫脹による気道閉塞や重度の感染などの重篤な合併症は認められなかった.レーザーを用いた組織内光凝固法は,血管病変の低侵襲かつ効果的な治療法として考えられた.