日本レーザー医学会誌
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総説
腫瘍内増感剤の蛍光計測による臨床指針査定への応用
三好 憲雄 金子 貞男北井 隆平堤 孝太郎櫻井 良憲朝山-小坂 祥子井上 啓史岡田 茂俊
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2020 年 41 巻 2 号 p. 110-118

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抄録

本研究は脳腫瘍の術中蛍光診断(Photodynamic diagnosis: PDD)にて切除組織および凍結切片の症例標本を使用して,蛍光分光高度計による定量的蛍光計測を行い,その蛍光強度から濃度換算した蛍光代謝物の濃度と外科病理生検結果を悪性グレードに分けて,それらの相関性を検討した.その結果,計測した濃度はAstrocytoma gradesの変化につれ指数関数的に増大した.また5-ALA経口投与後のその体内蛍光代謝物が予測できる分子量=質量の分析を顕微鏡レベルで脳腫瘍モデル動物を使用して行い,蛍光画像と予測質量での画像のほぼ一致したことより,腫瘍内に蓄積した蛍光代謝物がヘム前駆体Pp-IXであることを明らかにできた.自然蛍光の影響を除いた蛍光強度比(I635nm/I500nm)も同様に癌悪性度(grades)の亢進と共に増大化し,上記濃度変化よりも鋭敏に対応した.さらには,本濃度がPDTレーザー照射量のDose計算には腫瘍内Pp-IX濃度が重要な指標になることを新たに計算式で提示でき,今後のPDT指針に導入することを検討した.

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© 2020 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
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