日本レーザー医学会誌
Online ISSN : 1881-1639
Print ISSN : 0288-6200
ISSN-L : 0288-6200
総説
光感受性物質とRadio-dynamic therapy(RDT)
山本 淳考 北川 雄大宮岡 亮鈴木 恒平髙松 聖史郎齋藤 健中野 良昭
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2021 年 41 巻 4 号 p. 343-347

詳細
抄録

光感受性物質を利用した診断・治療はすでに臨床現場で広く利用されている.ポルフィリンに代表される光感受性物質は,光感受性のみならず放射線感受性を有することがしられている.5-アミノレブリン酸(ALA)は,悪性神経膠腫の術中蛍光診断薬として利用されている.近年,この5-ALAと放射線治療を組み合わせた治療の研究が進んでいる.5-ALAは,腫瘍細胞においてヘム代謝の過程で,ミトコンドリアにプロトポルフィリンIXを選択的に蓄積するが,放射線はこのPpIXと反応し,局所的にミトコンドリアに酸化ストレスを生じる.本総説では,悪性腫瘍に対する5-ALAを用いた放射線治療の現状について述べる.

著者関連情報
© 2021 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top