2023 年 44 巻 2 号 p. 164-170
初発膠芽腫摘出における5-アミノレブリン酸(5-ALA)による蛍光診断所見と腫瘍制御の関係を明らかにすることを目的とした.当施設で5-ALAによる蛍光診断下に造影病変の可及的切除を施行した初発膠芽腫41例を対象とし,術中蛍光診断所見と術後造影の残存,再発部位について解析した.結果,蛍光病変全摘出はMRI上の造影病変全摘出と相関していた.さらに肉眼的全摘出・追加切除後の蛍光残存部分から再発する傾向が認められた.以上より,5-ALAによる蛍光診断所見から,術中の摘出度判断,および局所治療を強化すべき部位の推定につながる可能性が示唆された.