日本レーザー医学会誌
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レザフィリンPDTにおける光線過敏症対策
玉置 将司大橋 真也廣橋 研志郎吉岡 正博天沼 裕介武藤 学
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論文ID: jslsm-40_0004

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抄録

光感受性物質タラポルフィンナトリウム(レザフィリン®)を用いた光線力学的療法(Photodynamic therapy: PDT)(以下,タラポルフィンナトリウムPDT)は,その高い腫瘍集積性や,使用するPDレーザ®(波長664 nm)の良好な組織透過性によりすぐれた治療効果が報告されている.タラポルフィンナトリウムPDTは既に保険収載されている早期肺癌,原発性悪性脳腫瘍に続き,化学放射線療法または放射線療法後の局所遺残・再発食道癌に対する有用性が示され2015年10月に保険収載された.PDTの最大の問題点は光感受性物質投与後に太陽光など高照度の光に曝露されると皮膚に紅斑,水疱,色素沈着等の光線過敏症をきたすことである.タラポルフィンナトリウムは従来使用されてきたポルフィマーナトリウム(フォトフリン®)と比較しより光線過敏症の発生頻度が低く,推奨される遮光管理期間も大幅に短縮されている(2週間vs 1カ月間).しかしタラポルフィンナトリウムによる光線過敏症の合併症はこれまでの臨床試験においても少なからず(0–14.8%)報告されており,光線過敏症への対策は必須である.本稿ではタラポルフィンナトリウムPDT施行後の光線過敏症対策に関し,当院における遮光管理や光線過敏性試験の具体例を呈示し概説する.

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